税務通信

2018年08月06日

事業承継税制の適用チェックポイント

とにかく暑い日が続いていますよね・・・。最高気温が31度と聞くと、今日は過ごしやすいですねと思う自分がいます。慣れは怖いですよね。

 

さて今回の税務通信は、先月に引き続き「特例事業承継税制」の続編です。特例事業承継税制は先代経営者から後継者への自社株式の承継による相続税・贈与税が実質的にゼロとなる、平成30年税制改正で適用となった制度です。前回(7/5税務通信)は制度の概要と申請時期等の掲載をさせてもらいましたが、今回は適用が出来るかどうかのポイントについてです。

 

◎制度利用するための前提要件

 特例事業承継税制の適用を受けれる先代経営者及び後継者の要件は、贈与・相続等の前には先代経営者が、贈与・相続等の後には後継者が同族関係者で発行済議決権株式総数の50%超の株式を保有し、かつ、その同族関係者の中で筆頭株主であることなどの要件を満たす必要があります。さらなる要件をまとめてみます。

 

先代経営者の要件

会社の代表者であったこと(贈与の場合には贈与までに代表権を返上する必要があり、相続の場合は直前に代表者であってもよいです。)

被相続人と同族関係者で発行済議決権株式総数の50%超の株式を保有し、かつ、その同族関係者(特例経営承継相続人等を除く)の中で筆頭株主であったこと。外部資本が筆頭株主であっても、同族内で筆頭株主であればよいです。

要件を満たさない場合には、自社株式の買取等によって、贈与・相続の開始までに同族株主の中で筆頭株主になっておくことが必要です。

 

贈与の場合の特例経営承継受贈者(後継者)の要件

会社の代表であること(代表者はその者以外にいてもよいです。)

20歳以上であり、かつ、役員就任後3年経過していること

③同族関係者と合わせて発行済議決権株式総数の過半数を保有し、かつ、その同族関係者の中に保有株式数の上位者がいないこと(認定対象者は代表権を有する承継計画に記載された3人まで)

④贈与のときから認定申請日まで引き続き贈与により取得した特例認定贈与承継会社の株式のすべてを保有していること

 

相続の場合の特例経営承継受贈者(後継者)の要件

①特定代表者であった被相続人の死亡の直前において役員であったこと(被相続人が60歳未満の場合には役員でなくてもよいです。)

②相続開始の日の翌日から5か月を経過する日において代表権を有していること

③相続又は遺贈により株式等を取得した代表者であり、同族関係者と合わせてその過半数を保有し、かつ、その同族関係者の中に保有株式数の上位者がいないこと(認定対象者は代表権を有する承継計画に記載された3人までに限る)

④被相続人の相続開始のときから認定申請日まで引き続き相続又は遺贈により取得した特例認定相続承継会社の株式のすべてを保有していること

 

対象となる法人

中小企業基本法で制定された中小企業であること。

例)製造業:資本金3億円以下又は従業員300人以下、卸売業:資本金1億円以下又は従業員100人以下、小売業:資本金5000万円以下又は従業員50人以下などで、いずれかを満たしていれば適用対象です。

資産管理会社(一定の要件を満たすものを除く)や医療法人、社会福祉法人、風俗営業会社などは適用対象外となります。

資産管理会社とは、有価証券、自ら使用していない不動産、現金、預金等の特例資産の保有割合が総資産の70%以上の会社(資産保有型会社)や、これらの特定資産からの運用収入が総収入金額の75%以上の会社(資産運用型会社)をいいます

一定の要件を満たす資産管理会社とは、3年以上商品販売・貸付(同族関係者に対するものを除く)等を行い、後継者・生計を一にする親族以外の常時使用従業員が5人以上であり、常時使用従業員が勤務している事務所、店舗等を所有している又は賃借している会社をいい、この要件を満たせば特例税制の適用を受けることが出来ます

 

今回の掲載より更なる詳細につきましてはご相談下さい。

 

まだまだ暑い夏になりそうですが、皆様も体に十分気を使って暑い夏を乗り切りましょう!

 

次回の税務通信では変更となった「配偶者控除」です。

 

参考資料 TKC事務所通信8月号、TKCQ&A特例事業承継税制

 

 

                                              (松村)