税務通信

2018年07月20日

所得拡大税制を検討してみては

梅雨明けしたら猛暑、極端すぎですよね。まずは、西日本での甚大な水害被害にあわれ、お亡くなられた多くの方々に心よりご冥福お祈りいたします。また被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。

 

さて、今回の税務通信は働き方改革に税務から一役かっている「所得拡大税制」と、関連する「賞与」についてです。

 

◎所得拡大税制の概要と今回の説明対象法人

 平成25年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する各事業年度において、国内雇用者に対して給与等を支給し、所定の要件を満たした場合に、所定の税額控除ができます。しかしながら幾度も改正に改正を重ねて現在に至っており、かつ平成30年改正(平成30年4月1日以降開始事業年度で適用)においても改正が行われています。今回の税務通信では平成29年4月1日から平成30年3月31日の間に開始された事業年度(以下、「今期」とします。)についての説明です。そのため本年3月末決算以降終了している法人も多いため、タイムリーな情報でないことをお詫びいたします。

 

◎一定の要件

  1. 【要件①】今期の事業年度雇用者給与等支給額が基準雇用給与等支給額(平成25年4月1日以後最初に開始する事業年度の前日を含む事業年度)より給与支給額の増加金額割合が、3%(中小企業者等でない場合は4%)以上であること。

【要件②】今期の雇用者給与等支給額が前期である前期雇用者給与等支給額以上であること。

【要件③】平均給与等支給額が比較平均給与等支給額を超えること。

 ※いずれも役員、役員親族等に対する支給額はいずれの給与には含みません。

 

◎従前からの税額控除限度額

 雇用者給与等支給増加額の10%に相当する金額

 ただし、法人税額の20%(中小企業者等でない場合は10%)が限度となります。

 

  1. ◎今期追加要件として可能となった税額控除限度額
  2.  上記【要件①~③】に加え、さらに次の要件を満たせば所定の税額控除ができます
  3. 今期の平均給与等支給額から前期平均給与等支給額を控除した金額が、前期平均給与等支給額に対する割合の2%以上であること。(比較平均給与等支給額が零の場合は要件を満たしません。)

 従前からの税額控除に加え、雇用者給与等支給増加額のうち、今期雇用者給与等支給額から前期雇用者給与等支給額を控除した金額に達するまで金額の12%を加算した金額の税額控除を受けることができます

 

◎ざっくり言うならば

【要件①】平成24年度の給与総額と比べて、今期の給与総額が3%以上増えている。

【要件②】今期の給与総額が、前年給与総額を上回っている。

【要件③】今期一人当たりの平均給与が、前年平均給与を上回っている。

 これらの要件を満たす場合に、要件①の増加額の10%について税額控除を受けることが出来る。ただし、税額の20%が限度。

【要件④】今期一人当たりの平均給与が、前年比で2%以上増えている場合。

 今期の給与総額で、前期給与総額より増加した金額の12%をさらに上積みし、合計22%の税額控除を受けることが出来る。ただし、税額の20%が限度。

 

◎適用の有無の可能性を事前に知り、賞与の支給を検討してみてはどうでしょうか

 今期、所得拡大税制の税額控除の適用を受けることができるかどうかを事前に調べることによって、仮に賞与の支給をすることで適用対象となるのであれば決算賞与などの支給を検討するなどしてみてはどうでしょか。

また、賞与は支給をした日の属する事業年度の損金となりますが、未払賞与の場合にはその支給額を、各人別に、かつ、同時期に支給を受ける全ての使用人に対して通知をする必要があり、通知をした日の属する事業年度終了の日の翌日から1か月以内に支給する必要があります。未払賞与はすべての使用人に通知を行ったことを証明する必要があり、通知に対して細心の注意が必要であることと、社会保険料は損金となりませんので注意が必要です。

 

 

30年改正については改めて掲載させていただきます。

 

 

次回は「事業承継税制の続編」となります。

 

                               松村