税務通信

2018年09月05日

「給与を減額せざるを得ない」ときの注意点

今年は台風の数が多く、昨日の台風21号の影響が少ないことを祈るばかりで、今朝通勤途中の信号機も横を向いていました。暑かったり雨、台風だったりと、しかも極端に過去に例がないとか、命にかかわるなどの表現もよく耳にし、本当に極端ですよね。

 

さて今回の税務通信では役員給与の改定を以前掲載しましたが、災害の影響などもあるように、著しい業績不振に陥った場合における、期中の役員給与を減額せざるを得ない場合の注意点です。

 

事業年度開始から3ヶ月以内に決定した役員給与は、原則その事業年度の決算月まで同額を支給しなければ、税務上、損金算入が認められません。しかし、著しい業績不振等から期中において、役員給与を減額せざるを得なくなった場合、要件を満たせば減額が認められます。

 

◎減額した場合の税務上の取扱い

(1)定期同額給与を減額した場合・・・定時株主総会で毎月支給される役員給与を例えば100万円と設定しましたが、期中(事業年度開始3ヶ月経過以降)に役員給与を50万円に減額した場合には、原則として減額後の50万円が当初(総会後)から毎月支給されていたものとみなされます。この場合、すでに支給された減額前の役員給与と毎月50万円との差額は損金の額には算入されません。

(2)事前確定届出給与を減額した場合・・・事前に届け出た支給額を減額して支給した場合は、支給額の全額が損金の額には算入されません。

 

やむを得ない事情がある場合

定時株主総会等で決定した役員給与を、予測されなかった事由が発生したことによって役員給与を減額改定せざるを得ない場合には、減額前と減額後の役員給与について損金算入が認められます。

(1)役員の職制上の地位や職務内容に重大な変更(臨時改定事由)があった場合

「常勤から非常勤」「取締役から監査役」など地位の変更や、社長、専務、常務など役位の変更による減額、あるいは不祥事による役員給与の減額、役員の入院加療等により職務執行が不可能になったことによる減額が「やむを得ない事情」に該当します。

(2)経営状況が著しく悪化した場合

主要販路の喪失、倒産などによる事業規模縮小の経営改善計画に基づく減額や、経営状況の著しい悪化から経営改善計画によるリストラを行わざるを得ない状況での減額。

注意点!!

(1)、(2)による事情はすべてが認められる訳ではなく、一時的な資金繰りの都合や単に業績目標に達しないことによる減額は、利益調整を目的とした減額とみなされるために減額に至った経緯を説明する資料等を株主総会、経営改善計画書において説明できる資料等を備え付ける必要があります。

 

役員給与の改定時期には、リスクも想定しての役員給与の設定が必要となります。

 

資料 TKC事務所通信2018年9月号